「……せん、せぇ」 「なんだ?」 「これ、村井君の携帯電話なんですけど……」 無意識に握りしめていた、村井君の携帯電話。 山口先生に見せるため少し手を緩めたが、すぐに握りなおした。 「明日、私が返してもいいですか?」 校則違反なのはわかってますと頭を下げると、高見さんが前に出る。 「ぐっちー、雛乃もこう言ってるしさ、頼むよ」 「高見、先生のことはちゃんと山口先生と呼びなさい」 「じゃあ、せんせ」 高見さんが言うのに頭を抱えると、山口先生は私の方を向く。