「小鳥遊、あいつとはあまり関わるんじゃない。危ないぞ」
「そんなことないです!先生、村井君は優しい人です!確かに少し乱暴かもしれません。でも、でも―――」
山口先生は難しそうに視線を惑わすと、腕を組んだ。
先生、村井君に校則のことじゃなくて私と一緒にいたことを怒ってたの……?
そんな、そんなのっておかしい。
なんでそんなこと……。
「小鳥遊。先生は先生なんだ。村井を悪く言うわけじゃないが、小鳥遊を守らなくちゃいけないんだ」
「村井君は守ってあげないんですか?」
「そうじゃない。村井が小鳥遊に危害を加えるなら村井を叱らなきゃいけない。もちろん村井に乱暴するやつがいたら、先生は村井を守る。そういうことだ」
「………っ」
「別に責めているわけじゃないぞ。ただ、先生ってのはそういうものなんだ」
あんなに遠くから私と村井君を見て、どっちが悪いことしてたかわかったの?
先生は村井君が悪いことしてたの前提で怒ったんじゃないの?
私には先生の言う『先生』がなんなのかわからない。
言いたいことが頭に浮かびすぎて、うまく言葉に出来ないのがもどかしかった。
