がんっ。




鞄が叩きつけられる。
びっくりして見ると不機嫌そうに里香さんが立っていた。


「………話し掛けるな」

「里香…」

「雛乃も構わなくていい」

「えと……」


こっ、怖い……。
佳代さんも萎縮してしまい、無口になった。


「早く席替えになるといいのにな」

「えっと…」

「…………」


どうしていいかわからないでいると、佳代さんが机に突っ伏してしまった。
何を言いかけたのかな…。
気になるけど、里香さんが恐ろしくて聞けない。

……佳代さん。
表情が見えなくて、何もわからなかった。