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「お、はよ……」

「ぁ………おはようございます」


目は合わせないで言う佳代さん。
……珍しいな。

いつも絶対視線は反らさないのに、よそよそしい。
村井君と、何かあったのかな……。
そういえば村井君、今日は来てないみたい。


昨日は少しだけ里香さんとお話して帰りました。
お昼ご飯のこととか、ちょっとだけ。


「ひっ、雛。………あのさ、その……」

「……はい?」


覗き込むと、ばっと距離を取られてしまいました。
今までにない反応で、少し傷つく。


「あっ!ごめんその……あの、さ………」

「はい……」


どうしたんだろ?
声が裏返ってます。
それにいつもと違って歯切れが悪い。
…様子がおかしいです。


「佳代さん、どうかされましたか?」

「ぅ、うーんと……」

「?」

「ごめん、私…―――」