風のおとしもの。





ハンカチを奪い取り、まだ残っていた涙の跡を拭ってやる。
不服そうにしていたが、おとなしくなったので綺麗に拭いてやった。


「………ひっでぇ顔だなぁ」

「うるさいっ」


ばしっと肩を叩かれる。
相変わらず力加減がなってない。
痛ぇっつーの。


「明日、小鳥遊と話してやれよ」

「………」

「要は俺が原因だったわけだろ?あいつに当たってやるなよ」

「…………無理だよ」

「…なんで?」


予想外の返事に驚く。
お前は俺と昔みたいに戻りたかっただけなんだろ?
もう戻れたのに、何が無理なんだよ。