風のおとしもの。






ただ久々に話してみて思ったのは、やっぱりこいつとは相性がいい。
気を張らないでいいし、お互いのこともよくわかってる。


「だから必死に勉強して、同じ高校に来た。鷹文のお母さんに認めてもらいたくて」

「お前………」

「でも入学してすぐにあれじゃん?お母さん入院しちゃったし、鷹文もおかしくなってって……もうダメだと思った」

「………っ」


吐き出すように言う佳代を見ていられなくなった。
俺は握ったハンカチごと佳代の手を包んだ。


「………女って不思議だな。強いかと思ったら、妙に儚くて……目が離せなくなる」

「なっ…」


元々赤かった顔が耳まで赤くなる。
こーやってすぐ怒るんだよな、こいつ。


「っ………やっぱ鷹文って変わってんね」

「拗ねんなよ」

「拗ねてない!」

「はいはい」