「…しっかり付き添ってあげないと危ないですよって、怒ったんだ」
「………雛らしいね」
「だろ?」
笑うと、佳代も笑ってくれた気がした。
「それからも小鳥遊と話すことがあって、俺は最期まで母さんを看取れた。感謝も出来た」
「………感謝…?」
「……俺さ、母さんが笑うのが好きだったんだって気付いたんだ。テストで良い点取ったら必ず笑ってくれてさ。それが見たくて勉強も頑張った」
「……マザコン」
「うっせーな」
「………でも、そっか。やっとわかった気がするよ」
「今はこんなだけど、なんだかんだ勉強出来て良かったと思ってるし、母さんには感謝してる」
「……私も鷹文のお母さんが鷹文のことすごく大切にしてるのわかったから、鷹文の友達に相応しくないって言われた時は何も言えなかった」
佳代はハンカチを握り締め、寂しそうに呟く。
友達に相応しいも何もないと思うけどな。
