「お前の絵見ろよ、相変わらずへったくそだなぁ」

「なっ………!それ描いたの鷹文だろ!?」

「俺はもっと上手かっただろ?」

「馬鹿言うなっ、ここの字見てみなよ。このマヌケな平仮名をさ」


たかふみ。
確かにいびつだ。
俺こんな字だったか?

習字習う前ってこんな下手くそだったのかよ。
つーかお前の書いた『かよ』ってのもなかなか不細工だぞ。



「人のこと言えんのかよ、お前のもひっでぇだろ」

「うっ、るさい!子供だったんだから仕方ないだろっ」

「よし、なら今書いてみようぜ?」

「臨むところだよ」


適当な大きさの石を見つけ、子供の頃書いた落書きの横に書き込む。
ついでにこの猫か犬かわからない生き物も描き直しておくか……。


がりがりがり。
黙々と書く。