後ろでガタガタと大きな音を立てて誰かが立ち上がった。
嘘。この声…でも、そんなはず……。
混乱していると、ふいに後ろから腕を掴まれる。
驚いて顔を見ると、やっぱり村井君だ。
なんで……?
「ちょっ、村井君!あなたサボるって……!」
「ちょーど飽きてきたところだったんで。……ほら、早く立てよ」
「あ、あの」
戸惑ったけど、どうしていいかわからない。
私は言われるまま立ち上がってしまい、そのまま腕を引っ張られる。
でも昼間のこともあって、体が強張ってなかなかうまく動けない。
ちゃんとしないとまた笑われちゃう………!
倒れてもいい、必死の思いで足を動かす。
するとそんな私を見かねてか、村井君が片腕で私の体を支えてくれた。
村井君……。
………うん、大丈夫。歩ける。
「待ちなさい、村井君!小鳥遊さんに何かするつもりじゃ―――!」
「俺こんなよわっちーの相手にケンカなんかしませんよ」
「そうじゃなくて!」
「……センセー、なんかやらしいこと想像してるわけ?」
「――――!?」
「図星だった?」
真っ赤になって絶句している森下先生にいやらしい笑いで返すと、村井君は私の腕を引いた。
