「小鳥遊さん、ここ、解いてもらえる?」
「!」
突き刺すような声で言われ、我に返る。
体中の穴から汗が噴き出すような感覚の後、汗がじっとりと制服に染み込んだ。
「春だからってあまり気を抜かないように」
「はい。すいません、でした」
「……あなた、顔色が悪いわよ。体調が優れないんだったら早く言いなさい」
違いますと反論しても声が掠れてしまい、森下先生の耳には入らない。
「保健委員は誰?」
「はぁい」
保健委員の早乙女さんが手を挙げると、席を立った。
「いえ、一人で―――」
「センセー、サボりたいんで、僕が付き添います」
