風のおとしもの。






佳代さんの瞳が熱く煮えくり返るようだった。
格好って………。
走ってきたのと村井君を振り切った時ので、ひどく乱れていた。



「村井にやられたのか?」

「あの、その………私っ………」

「あいつ、許さない」


佳代さんは私の制服を正しながら奥歯を噛み締める。
ぎりっと鈍い音がして、今までに見たことのない佳代さんの表情に困惑する。


「雛乃……大丈夫か?」

「雛ちゃん……っ」


後から二人も駆け付けて、心配そうにしてくれた。
みんなは私の呼吸が落ち着くまで宥めてくれて、ゆっくりと机まで促される。
話を聞くに、どうやらみんなは今まで教室に残って雑談していたみたいで、そこに私が飛び込んできたらしい。


「どこ、あいつ。ぶん殴ってやる」

「………いえ、大丈夫です。それには及びません」

「なんで?雛、あんなにされて………許してやる必要なんかない!」

「許してません」

「え………?」

「許してなんか、いません」