風のおとしもの。







「私、また村井君の気に障るようなことをしてしまったのでしょうか?」


おずおずと上目遣いすると、驚いたような村井君の顔があった。
………違うのかな?
ならよかった………。

里香さんと美紀さんは相変わらずで、村井君が近付くと2、3歩距離を取るみたい。


「そんなんじゃねぇよ」

「それならよかったです」

「………明日の放課後、いいか?」

「はい、わかりました」

「おう、そんじゃな」


それだけ言い、村井君は私たちの横をすり抜けていった。