何が起きたのかわからなくて、しばらく同じ姿勢のまま放心していた。

心臓が今までにないくらいドキドキいってる。

今、何が起こったんだろう。

美紀さんが……美紀、さんが………。
………いや、美紀さんじゃなかったかもしれない。
あんなこと言う人じゃないはずだ。
部屋に戻ろう。


私は番号を確認して扉を開いた。
するとそこにはいつも通りの美紀さんがいて、佳代さんがいて、里香さんがいて……。

やっぱりそうだ。
あれは嘘だったに違いない。
もしくは夢でも見ていたんだ。


「雛どったの?扉閉めないと迷惑でしょ」

「あっ、はい」

「帰りが遅かったな………体調不良か?」

「いえ、そんなことは―――」


ちらっと美紀さんを見ると、さっきの鋭い目。
夢、なんかじゃない。
………現実なんだ。