*** 「よぉし、始めちゃいましょーっ!」 大きく意気込んだ美紀さんに、里香さんは小さく息を吐いた。 「美紀さん、図書館ではお静かに……」 「はぁい」 小声で返事する美紀さんは、なんだか楽しそうだ。 「で、美紀がわかんないところなんだけどぉ」 「私に聞くのか」 「だぁってぇ、里香もわかんなかったんだもーん!」 雛がいるだろと佳代さんは私を指さす。 確かに古文は佳代さんよりも得意だ。 今日の為に予習もしっかりしてきたし、答えられると思う。