「一緒に、謝りに行きましょう」
少し喋りにくかったけど、私は胸倉を掴んでいる村井君の手を握る。
すると、村井君の目が少しだけ見開かれた。
今日だって私を助けてくれたし、本当に悪い人ではないんだ。
きっと話せばわかってもらえる。
と思う!
やっぱりまだ少し怖いけど!
「村井!お前はまた騒ぎを起こして―――!」
近寄ってきた山口先生の怒声にはっとした村井君は、私を山口先生の方へ突き飛ばした。
私は小さな悲鳴を上げ、山口先生に受けてとめてもらった。
「おい、村井!」
「山口センセー、さようなら」
村井君はひらひらと手を振ると、学校を後にした。
