＊＊＊
「すいません、なんだかすっかりお世話になっちゃって」
夕食を食べ終えたお二人は、雑談もそこそこに席を立った。
「今日はとっても楽しい夕飯だったわ。またいつでも遊びに来てね」
「はい。ごちそうさまでした」
「村井君も、今日はありがとう。雛乃をよろしくね」
笑顔で答える佳代さんとは対照的に、居心地悪そうに黙る村井君におばさんは声をかけた。
「あと、うちの人がごめんなさいね」
「いえ、俺は別に……」
「私が余計なことを言ってしまって、本当にすみませんでした」
頭を下げる私には答えず、村井君は小さく会釈した。
うぅ……怒ってるみたい。
私、なんでこんなにダメなんだろう。
