次の日、学校へ行くと三人の顔が輝いていた。
「なっ、何!?」
「いや、昨日どうだったのかなーと思って」
「どうって……別に。ただお兄さん迎えに行って、バス停まで送ってもらって終わり」
「なんだよ」
 一体何を期待したんだか……。
 宏樹と祐輔が席に戻ってから俺は司の所に行った。
「司、お父さんとどうなった」
「お父さんとはまだ冷戦状態って感じ」
 司がハハッと苦笑いしながら言った。
「でもお母さんは説得して、なんとかわかってくれたから」
 今度は嬉しそうに言った。
「よかったじゃん」
 そう言うと司は照れたようにニカッと笑った。
 みんな一歩ずつ、確実に前に進んでいるのがわかって、自分のことじゃないのに嬉しかった。