くちびるが離れたあとも

わたしのこころは

ずっとふわふわしていた。




「今……


ほんとに

チェリーの味がした。」




ケンちゃんが

わたしの目を見つめて言う。




「うん、ほんとにした!


……あ。


さっき、アミさんに

チェリー味のキャンディー

もらったからかな?」



わたしとケンちゃんは

おでこをくっつけて

ふふっと笑った。