「うっわ。 大きい事務所だなぁー・・・。」


こんな大きいビル、漫画でしか見たことない。


律華に言われて仕方なく来たけど・・・ ヤバい。緊張してきた。


「ふぅー・・・」


ここまで来たからにはしょうがないと
覚悟を決め、深呼吸をして乗り込んだ。 


・・・のはいいけど・・・


「やっぱデカすぎっ!」


さっきから何回場所を聞いてるんだろ。あたし。
すれ違う人全員に聞いてるよ・・・

しかも、みんな忙しいのか一般庶民のあたしがこんなトコにいても誰も気にも留めない。


「・・・やっとついたー・・・のかな?」


一番最上階のこの部屋に来るまで何分かかったことか。


コンコン―


「し、失礼しまーす・・・」


入ったとたん、バラの香りに包まれた。しかも、人工的じゃない。
本物のバラが花瓶に生けてある。


バラの花言葉は〈愛情、美〉
めっちゃ偉い人っぽいなぁー。


部屋の中はすっごい豪華。
なんか、ヨーロピアンな感じ?


どっかの宮殿の中にいるみたい。

っていうか部屋はシーンとしている。


・・・誰もいない!? 
もしかして来る時間間違えた!?


コンコン―


ヤバっ! 誰か来たっ!