早英さんはしれっとした顔をしていた。
皐月の時が嘘のように思えた。
そういえば、早英さんはあまり喋らないし、表情も変わらない。
冷たいとさえ感じる目で前を見据えている。
俺は早英さんのおかげもあって、『勇人』がすっと表現出来たけど、早英さんは『皐月』を作っていたのだろうか。
だとしたら、俺には、
自然にやっているようにしか見えなかったから、やはり早英さんは凄いと思える。
作ってなくて、自然にしてても凄いけど。
彼女はどうしてニコリともしないんだろう。挨拶の時は笑ってくれたけれど…。
俺はそれがとても気になった。
