もう受験の出願時期だった。
普段軽い丈があんなに熱くなったところを初めてみた。
自分のためにあそこまで言ってくれて、自分が動かない訳に行かない。
勇人は走った。
今は昼休みの時間だ。
多分、皐月は教室だろうと、教室に向かうがいない。
勇人の様子を見た悦子が、皐月は職員室だと伝えるとすぐに飛び出した。
廊下にいる人にぶつかる軽く謝りながらも止まらず走った。
職員室の扉をバンッと開けると、職員室にいた先生達は勇人を驚いて見た。
そんな事を気にせず、職員室を見回し、皐月を視界に捉えた。
何やら封筒を受けとっているようだ。
すぐに女子高関係だと察し、
驚いて固まっている皐月と先生にズカズカ近寄って、皐月の腕をつかみ、封筒を取り上げて、先生の机に置き、
皐月の腕を引っ張って職員室から出た。
訳の分からない皐月は「えっ?えっ、何?」と言っているが、
勇人はそれを無視して、隣接する小学校の裏庭の秘密の場所まで連れて行った。
とりあえず黙る二人。
皐月には勇人が何を考えているのかサッパリ分からず、勇人が話すのを待っていた。
