そして、皐月は勇人と離れる事を決意する。



皐月は女子高へ進む事を誰にも言わずにおくつもりだったが、


あの時慰めてくれた親友の悦子(えつこ)には話そうと思った。


悦子は小学校五年から同じクラスで、勇人の事も悦子には話していた。


小6のあの喧嘩の事も悦子はあの場にいたので知っていた。


勇人は皐月を気にしている風なのに、なぜ皐月を避けるのか分からなかった。



何か言おうと思ったが、皐月に何も言わないでと必死に頼まれていたので、約束を破れず、見守る事しか出来なかった。


でも、もう何もしないでいるのも嫌だった。



悦子は、皐月が女子高に行く事をまず勇人の親友の丈に言う事にした。



それを聞いて、丈はすぐに勇人に話した。



皐月が離れる事を知った勇人は、嫌だと思う反面、もういいんじゃないかと考えていた。



お互いの溝は埋まる事はない。



そう思ってしまって、勇人はなかなか行動に移せない。



そんな弱気な勇人を見て、丈はついにキレた。



「なんのために、お前はここに来たんだ!

皐月ちゃんと一緒にいるためじゃないのか、ぁあ゛?!

からかわれたぐらいでなんだよ!


泣かれたぐらいなんだよ!


たとえ嫌われてても、
自分の気持ちぐらい、ちゃんと伝えてこい!!

男だろ、勇人!!」