※まだ國side


勇人は、結局、皐月に謝れないままで中学に上がる。


勇人達は私立なので高校までエスカレーターらしい。


でも、逆に近くに皐月がいることが勇人を苦しめていた。



一年では、勇人と皐月はようやく同じクラスになった。


しかし、喋れない二人。



勇人は別のクラスになった丈を避難場所にして、なるべく皐月を避けた。


皐月もそんな勇人に近づけず、二人は全く話さないまま三年生になった。



ある日、皐月は母親に、今いる学校の姉妹高である女子高に進むように言われる。


皐月はショックを受けるが、皐月を避ける勇人の態度が辛く、限界まで来ていた。


悩む日々が続く。


そして、皐月はたまたま、部活帰りの勇人を見かける。


勇人は、丈や部活の仲間とワイワイ騒いでいる。


勇人達を抜かす事も出来ず、ゆっくり後ろに続いていた。



突然、騒いでいたうちの一人が、皐月の話を持ち出す。


その声は皐月にまで聞こえていた。


他の一人が、勇人と皐月の喧嘩話をし始め、勇人は止めようとしたが、全て語られてしまった。



その話を聞いて更に盛り上がったメンバーは、勇人をからかう。



カッとなった勇人はまた「あんな奴好きじゃない。もうどうでもいいし。」、と心にもない事を言ってしまう。