途中にゆうとの家も通り、


「ここ僕んち!」と指さしたゆうとの家を見て、


一生覚えておこうとジィーっと家を見つめた。



そんな皐月の様子に気付かず、


ゆうとはいこっか、と皐月を促し、歩きだした。



皐月もゆうとについていったが、一度振り返りゆうとの家を見た。



そこがこの先皐月の「休息の場」となる事は皐月は知りもしなかったが…。




皐月の家につくなり、

「皐月!どこに行ってたの!」と怒鳴りつけられ、


ゆうとはと皐月はビクッとなった。



皐月の母親だった。



握りあっていた手を無理やり引き離され、皐月の母親に睨みつけられたゆうとはビクビクと怯えた。



ゆうとは、初対面の女の人に敵意を向けらるのは初めてな五歳の子どもだった。



どうする事も出来なくて、皐月と睨みつけてくる女の人を交互に見た。



「誰だか知らないけど、もう皐月に近寄らないで。

ほら皐月行くわよ。目を離したらこれなんだから。

しばらくは外出も禁止にしなくちゃ。

分かってるわね。勝手な事したら次は叩くわよ。」



泣いている皐月にどんどん厳しい言葉をかける女の人を見て、ゆうとは愕然とした。