じっとこちらをみている。その澄んだ瞳に真っ正面から見つめられ、少したじろぎはしたが、すすぐに気を持ち直し、
「梨野 國です。よろしくお願いします。」
と、手を差し出した。
笑顔を作る余裕なんてなかった。
すると、向こうもニコっと笑って、手を握ってくれた。
ぎゅっと俺の手にして力がかかる。
「早英です。
今回はご一緒させて頂き、光栄です。
よろしくお願いします。」
いゃ、光栄なのはこちらです。と思ったが何も言わなかった。
ただ早英を見つめていた。
「お~い。最終的には恋人役だが、そんなに見つめ合うのは早いぞ~。」
