カチャカチャ
夕飯を食べ終わって
今、朝田さんはお風呂。
わたしは部屋を
勝手に掃除して、
洗いものをしていた。
まぁ…泊めてくれるんだし
これくらいしたげてもいいしね。
こういうところは
昔からきちんとしてると思う。
てか…男以外は考え方とかふつーだと思うけど。
フッと、さっきのトキメキを思い出す。
「はぁー…」
ため息もこぼれる。
そりゃそうだ。
初対面の人にあんなドキドキしたんだから。
キャラでもねぇのに。
男にあんなトキめいたとか初めて。
てか、意味わかんない顔してアイツが言うからじゃん。
“可愛い”なんか、今まで腐るほど言われてきた。
本心か偽りかわかんないけど。
一回も嬉しく感じたことない。
男が女の心を喜ばせるために
“可愛いね”
“キレイだね”
って使ってるくらいわかるから。
あと、嬉しいって気持ちが湧かないから。
でも、なんかアイツは違う。
他と違う。
あんな真っ直ぐわたしを見て…ちょー照れくさそうに言われたら…。
バシャッ
「うわっ!…ありえないし」
何やってんだろ。
洗剤の泡が髪の毛に飛び散った。
普段はこんなことしないのに。
「まぢ調子狂うし…」


