「とりあえずよお、部長決めへん?」
今まで私の横で机に腰掛け、静かに聞いていたガクが突然言った。
「やっぱり、要るかなあ。」と聞いた私に対し、「話まとめるヤツ要るやろ。どうせ3年はもう来えへんのやろ?やったら俺等の中から新しい部長決めるしかないやんか。」とみんなを見ながら言う。
「うん、でも先輩ら、部活には出えへんけど籍は置いとくって言うてたから…。」
私が言いにくそうに言ったのに対し、「なんで?辞めたらええやん。来えへんのやったら。」と少し責めるような口調で言ったのは広瀬リュウ。
彼は1年の終わり頃に入部した理数科の2年生。元々サッカー部だった彼は、同じ2年でギターを担当している咲良(サクラ)ナオトが入部したら、おまけみたいに一緒入ってきた。
おまけっていうのは内緒やけどね。
彼も器用なのか、ドラム、ベースと結構多才。でも何故か希望した楽器はアルトサックス。始めて間もないのに、カタチになってきているのが凄いところ。
