「詐欺だ!!」


「詐欺じゃねぇよ。ほら、早く食べさせてよ。」


「まだやるんですか?」


「うん、最後まで。」


「勘弁してください。」


「無理。ほら、早く…」


………。


結局、最後までモジャ男に食べさせ続けた。


恥ずかしさで、ぐったり…


「ん?ひより、どうした?」


「疲れた…」


「俺、ちょー楽しかった。」


そんな満面な笑顔(多分)で…


「そりゃ、よかったデスね。」


このドSが…


「さ、帰るか…。」


「もうそんな時間ですか?」


「もう17時。」


「そっか…」


時間が経つのって早いな…。


「寂しい?」


「寂しいというか、時間が経つのって早いなぁと思って。」


「もう少し、ひよりと一緒にいたいけど…郁斗に怒られるな。帰るか…。」


「はい…」


モジャ男は、私を家の前まで送ると…


私を抱き寄せてチュッと軽いキスをした。


「じゃあな。また明日。」


「はい。ありがとうございました。」


「おぅ。」


モジャ男がバイクで走り去る後ろ姿を見ながら、もっと一緒にいたいと思ってしまった。


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