狼さんの好きな人

二日後の昼休み。

私は、教室で咲ちゃんと一緒にお弁当を食べてい た。

「ひよ、いい加減にしなさい!!」

えぇぇぇぇっ!!!!? いきなり、怒られたんだけど。

「さ、咲ちゃん。私、何か怒らせるようなことし たのかな?」

「私、ひよのこと幼なじみで親友だと思ってる。 」

「う、うん。私も思ってるよ?」

「どうして、こんな状態になっても話してくれな いの?」

「え…?」

「ひよ、自分で気付いてないの?物凄く酷い顔し てるの。やつれ過ぎよ。クマも出来てるし。眠れ てないんでしょ?ひよのことだから、心配かけた くないとか思ってるでしょうけど。私って、そん なに頼りない?ひよを守りたいのに、守れなくて 凄くもどかしい…」

そう言って、咲ちゃんは泣き出した。

咲ちゃんの泣く姿を見るなんて、私が咲ちゃんの 代わりにいじめられていた時だったから…数十年ぶ りだ。

幼なじみで遠慮なく話せる仲だったのに、年齢が 上がるにつれて変に遠慮するようになった。

“私のことで心配かけたくない”“明るくいて欲しい”

それは、咲ちゃんやクラスメイト、バスケ部員だ けでなくお兄ちゃんに対しても言えることだっ た。

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