狼さんの好きな人

「今は、無理です。手元に、そのレシピないですから。」


「ん?それって、味噌汁のレシピ通りに作ったら毒もどきになったってこと?」


「はい。ママが、細かく分量を計ってレシピを書いてくれたんですけど、私が作ると失敗するんですよ。」


「じゃあ、今度そのレシピ通りに作ってみせて?それで、どんな化学反応を起こして毒もどきになるか調べるから。サンプルを取って、それを(大学の)研究室に持って行って…」


…………。


私がレシピ通りに作る味噌汁は、薬学部の大学生の研究対象になるみたいです。


毒もどきっていうか、直也さんの中で毒薬に認定されてそう…。


満面の笑顔で、物凄く愛しそうに色々と考えてる様子の直也さん。


きっと、通りすがりの女の子が見たら彼女のことでも考えてるのかな…とか思うんだろうけど…


彼が、考えてるのは私が作る毒もどきの味噌汁です。


超ハイレベルなリンベルト学園大学に通う直也さん。


天才と奇人・変人は、紙一重って言うけど…


その仮説は、正しいと思う。


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