狼さんの好きな人

「…最後に味噌を溶けば出来上がり。やってみて。」


「はい。」


あれから、私は直也さんと家の中に入りキッチンで味噌汁の作り方を教えて貰っていた。


片手鍋を二つ用意して、直也さんが作るのと同じように私も真似をして作り、今は最終段階。


直也さんが味噌を溶いた後に、私も味噌を溶いた。


「…出来ました。」


「うん、上出来だよ。じゃあ、試食してみようか。」


「はい。」


4つのお椀に、直也さんが作った味噌汁と私が作った味噌汁を2つずつ注いだ。


テーブルに運び、いざ試食。


ドキドキしながら自分が作った味噌汁を一口飲むと…


「あ。美味しい…」


今まで、ママがきちんと分量を細かく計って味噌汁のレシピを作ってくれても…


なぜだか、上手くいかない。


何度作っても同じ。


その度に、試食したお兄ちゃんが白目向いて泡を吹いたことが何度もあった。


パパが、その光景を見て『ひよは、味噌汁で人を殺せる天才だ。』って言ってたけど。


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