狼さんの好きな人

次の日…


目が覚めると、目の前にはモジャ男の顔…


ではなく、お兄ちゃんが気持ちよさそうに眠っていた。


モジャ男は…?


ムクッと起き上がり、辺りを見回してもモジャ男の姿はない。


先に起きたのかな?


とりあえず、お兄ちゃんを起こさないと。


「お兄ちゃん、起きて!!お兄ちゃん!!」


「ん…?ひより…起きたのか?」


お兄ちゃんは、まだ眠そうな顔をしながらそう言うと、私の腕をグイッと引っ張って私を自分の胸にすっぽりと包んだ。


「あ。お兄ちゃんの香りだ…」


私の服と同じ洗剤の香り…


だけど、ちょっと男の人の匂いも混じってるような…そんな香り。


昨日の夜、モジャ男のことをずっと考えてたせいなのか、今の私にとってお兄ちゃんの香りは凄く落ち着いた。


「え。ひよりって匂いフェチだったのか?」


「別に、フェチじゃないと思うけど…。だけど、枢の香りも好き。」


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