狼さんの好きな人

「『医者も父さん達も神様じゃないから、全ての病気を治すには限界がある。だけど、その限界を越える為に日々薬を研究開発してるんだ。』って泣きながら言ってた。ひよこを亡くして、一番悔しい思いをしてたのは枢の両親だと思うよ?製薬会社してるのに、ひよこを助けることができなかったから…」


「………。」


「それでさ、俺は少しでも多くの病気を治せる薬を開発したくて薬学部に入ったんだ。まだ、一人前の研究者になるにはもっと先だけど。あ。えっと、こんなこと話したのは…その…ひよりちゃんに安心して欲しいと思って…。身近に薬のことを勉強してるヤツがいるから。ゴメン、前置き長かったよね…」


あぁ、私を安心させる為に話してくれたんだ…


モジャ男も直也さんも、一生懸命私を安心させようとしてくれるのが嬉しい。


何だか心が温かい。


「…そんなことないですよ。話してくれて嬉しいです。何だか心強いです。」


「ん。そう思ってくれてるならよかった。じゃあ、食べよう。」


「はい!!いただきます。」


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