狼さんの好きな人

ツルツルとした大理石の床には、びしょ濡れの私でできた水溜まりが広がっていた。


「ひより!!」


その声に顔を上げると、モジャ男が私をおもいっきり抱き締めた。


あぁ…


モジャ男の香りだ…


フッと気が緩んだ瞬間、一気に涙が溢れだした。


「っ、枢ぇ…」


「さっき、ひよりがウチを飛び出したまま探しても見つからないって郁斗から電話があった…。お前の携帯にかけても出ねーし、探しに行こうとしてたとこだったんだ。ずっと、門の前にいたのか?」


「っ、はぃ…」


「本当にごめんな…。家政婦サンには、きちんと言っとくから。」


モジャ男が謝ったと同時に、私の背中にバスタオルが掛けられた。


「はい、タオル。早く拭かなきゃ。」


「あ、はい。直也さん、ありがとうございます…」


「いいよ。今、お風呂沸かしてるからね。ひよりちゃん、何かあったの?」


「お姉ちゃんのお墓がある場所…教えてください!!」


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