狼さんの好きな人

モジャ男、学校からまだ帰ってきてないのかな…


「…じゃあ、ここで待たせてもらいます。」


どのくらい時間が経ったのだろう…


雨は、激しさを増すばかり…


「ひより…ちゃん?」


声がした方を見ると、傘を差した直也さんが驚いた顔をして私を見ていた。


「直也さん…」


「こんなとこでどうしたの!?ちょ…びしょ濡れじゃん!!早く中に入ろう。また熱が出ちゃうよ?」


「あの…、枢はまだ学校から帰ってきてないんですか?」


「枢?枢なら随分前に帰ってきてるよ。インターホン押さなかったの?」


あれ?


さっきは、いないって…


「若い家政婦サンが出て、枢はいないって言われたから…。だから、ここで待たせてもらいますって言ったんです。」


「…そう。」


直也さんは、怖い顔をしてそれだけ言うと私を玄関まで誘導してくれた。


「ちょっとここで待ってて。タオル持ってくるから。」


「…すみません。」


.