狼さんの好きな人

「ひよ、開けてみろ。」


「ぅん…」


おそるおそる箱の蓋を開けると、中には沢山の折り鶴と一枚の手紙が入っていた。


「読んでいいの?」


「あぁ。ひよこがお前に宛てた手紙だ。」


手紙を見ると、真ん中に一行だけ…


“ひよりちゃん、はやくげんきになってね”


震える字で書かれていた。


「…………。」


「その三日後に容体が急変してな…。亡くなったんだ。」


お姉ちゃんは、こんなにも私のことを心配してくれてたのに…


お姉ちゃんを忘れてる自分に物凄く腹が立った。


今まで、何もかも忘れて普通に過ごして…


肉親の死すら知らずに生きてきた。


「お姉ちゃんが亡くなったこと、どうして教えてくれなかったの?」


「ひよりは、まだ6歳だったから…。それに、ひよこについて何も言ってこないし…。忘れてるならそれでいい…辛い思いをさせずに済むと思ったんだ。」


パパは、辛そうな顔をしながらそう言っていた。


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