狼さんの好きな人

「何だか、お兄ちゃんの罠にかかった気分。」


「別に、罠にかけた覚えはないけど?あ。何だか雲ってきたな…。雨が降る前に帰るぞ?」


空を見上げると、今にも雨が降りだしそうな曇が空を覆っていた。


さっきまで凄く晴れてたのに…


「うん…」


お兄ちゃんに、手を引っ張られながら駐車場に戻ると、急いでウチまで帰った。


かなりスピードが出てた気がする…


「ギリセーフ…」


ガレージにバイクを停めた瞬間、ザァーっと大降りの雨が降りだした。


「本当、ギリギリだったね…」


鍵を開けて、家に入ると…


「あら、おかえり。」


パパとママが、リビングのソファーに座ってくつろいでいた。


パパは、何やら書類を真剣な顔して読んでるけど。


そういえば…


「明日帰ってくるんじゃなかった?」


「ひよりのことが心配で、すぐに飛行機に飛び乗ったのよ…。熱が出たんでしょ?」


「うん。でも、もう大丈夫だよ。」


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