狼さんの好きな人

「ひより…」


「ん?何?」


「この後、海にでも行くか。気分転換もかねて。」


「海?でも、さっき先生が学校休んでるのに遊んだら不良になるって言ってたよ?」


「あははッ、ひよりが不良になんてなるわけないじゃん。さ、行くぞ。」


「うん…」


お兄ちゃんに、半ば強引に連れられて海に到着。


海沿いをバイクで走るのって、潮の香りがしてとっても気持ちがいい。


しかも、海が太陽の光を反射してキラキラ輝いててとっても綺麗。


お兄ちゃんが、バイクの免許を取ってからよく連れてきてもらってる。


どちらかが、元気がないときや落ち込んでる時によく来てると思う。


バイクを駐車場に停めると、二人で砂浜を歩き出した。


「ひより。早く来いよ…」


そう言って、お兄ちゃんは私に手を差し伸べてくれる。


いつもそう。


小さい頃から、お兄ちゃんは常に私の前にいて引っ張ってくれる。


私がいじめられてる時も、お兄ちゃんは私を背中に隠していじめっこをやっつけてくれた。


そして、決まって…


『ひよりは、お兄ちゃんが守るからな。さ、帰るぞ?』


そう言って、手を強く握り締めてくれた。


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