狼さんの好きな人

モジャ男が作ってくれたナポリタンは、ママ直伝らしく家庭的でとっても美味しかった。


和也くんは、まだ寝てる直也さんの分まで食べてたし。


部屋に戻ると、満腹になった私はモジャ男に抱き締められながら、ベッドの上でゴロンとしていた。


モジャ男の体温が何だか気持ちよくて、凄く眠い…


「ひより…」


「…何ですか?」


「武田は、きっとお前のことが好きだぞ?」


「レンジ先輩が?」


「あぁ。アイツの態度からして…」


「態度って、いたって普通ですけど…。気のせいですよ。」


「………はぁ。お前、鈍感だからな。隙を見せるなよ?襲われるかもしれねー」


「す、隙?襲われるって…」


眠くて頭が回らない…


「お前は、俺だけを見てろ。他の男を寄せ付けるな。」


「そんなこと言われても…」


あぁ、もうダメ…


眠い。


「あと、直也はきっとお前を…」


“好きになる”そう聞こえた気がしたけど、私は意識を手放してしまった。


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