次の日の朝…


キッチンに向かうと、枢が朝食を作っていた。


「おはよう。お嬢の具合まだ悪いの?」


「おはよう。いや、今日はすっかりいいみたいだぞ?今、中庭散歩してる。」


「じゃあ、何で枢が朝食作ってんの?」


「ひよりには、俺が作った飯を食わせたいから。美味しいって言って喜んでくれるし。」


そう言った枢は、どことなく嬉しそう。


…………。


何か、乙女だな。


「可愛いな、枢。」


「はぁッ!?気持ち悪いこと言うなよ!!」


顔が、真っ赤だけど。
それが、また可愛い。


「それで、俺と和也の分はないの?」


「ある。」


「それは、良かった。じゃあ、俺はお嬢に挨拶してくるよ。できたら、呼びに来て。」


「わかった。」


中庭に出ると、お嬢は両膝をついて池を覗き込んでいた。


何をそんなに見てるんだろ?


.