狼さんの好きな人

「あ…あの、か、枢…」


「ん?」


「池になんて落ちませんから…」


「だから?」


「放し…」


「やだ。」


私、まだ最後まで言ってないのに…


「ドキドキして耐えられません。」


「耐えろ。」


「無理です。」


「俺も無理。」


「な、何が?」


「ひよりと…ずっとこうしていたい。放したくない。」


………もぅ、死ぬ。


これ以上にドキドキさせてどうすんの…


何も喋れなくなって、暫く無言。


モジャ男も、いつもと同じで無言。


…………。


とりあえず、今の状況を打破したい。


「そ、そういえば…、妹さんの写真を和也くんから見せてもらいました…。小さい頃の私にそっくりで、ホントに驚きました。」


「見たのか…。」


モジャ男の声に、元気がなくなった…


見ちゃダメだったのかな…


「はい…。あの、見ちゃダメでした?」


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