狼さんの好きな人

「妹の体が弱かったから…。ほとんど寝たきりだったんだ。だから、“何をしてほしい”とか“何がほしい”とか、いつの間にかわかるようになってた。だから、だろうな。あ。でも、こんな風にしてやるのはひよりだけだからな。特別だぞ?」


特別…


モジャ男に、そう言われると他の誰かに言われるより嬉しく感じる…


「あ、あ…ありがとうございます…。」


……はぁ。


まだドキドキしてるよ…


モジャ男は、いたって普通だし…


私だけ、ドキドキしてるみたい。


とりあえず、落ち着こう。


私は、池に向かって歩いて行くと中を覗き込んだ。


月明かりでも、鯉が泳いでいるのがわかった。


すげぇ…


やっぱり鯉を飼ってるんだ…


明日も、明るい時に見にこよう…


「落ちるぞ?」


後ろにグイッと引き戻されたと思ったら、そのままスポッとモジャ男の腕の中に…


後ろから抱きしめられてるよ…


せっかく落ち着きを取り戻せていたのに…


さっき以上にドキドキし始めた。


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