狼さんの好きな人

「い、いえ、だだだ…大丈夫です…」


ドキドキしすぎて、全然大丈夫じゃないけど…


「…全く大丈夫そうに見えない。体温計を持ってきたから計ってみろ。」


…………やっぱり?


意識しすぎだって、私…。


「…わかりました。」


おとなしく体温を計り、モジャ男に渡した。


「……37.8度。食欲あるか?」


「はい。」


モジャ男は、私を抱き起こすと土鍋のふたを開けた。


あぁ、いい香り。


今日は、うどんだ。


「美味しそうですね。今日も枢が作ってくれたんですか?」


「あぁ。食わせてやる。」


「えぇッ!?今日は、一人で食べられます。」


「いいから。…ほら、あーん…」


やっぱり、今日もあーんって言うんだ…


「……美味しい。」


「そりゃ、良かった。」


モジャ男は、満足そうに微笑むと最後まで食べさせてくれた。


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