狼さんの好きな人

「…食べていい?」


「はぃ?」


「いただきます。」


モジャ男は、私の目の前で手を合わせると首筋に顔を埋めた。


吐息が、首筋に当たる…


「ッ…くすぐったい…」


私がそう言った瞬間、モジャ男がいきなり顔を上げた。


「やめた。」


「へ…?」


「お前、まだ熱があるから…。飯、持ってくる。」


あれ…?


モジャ男の顔が真っ赤…?


ていうか、さっき“食べていい?”って聞いたのって…


もしかして、“エッチなことしていい?”ってこと?


ヤバイ…


顔が熱くなってきた。


しかも、尋常じゃないくらいドキドキする…。


でも、いつかはエッチなことをすることになるんだし…。


「…ひより。オイッ、ひより。」


「へぇッ!?枢…?」


「飯と薬持ってきた。つーか、顔が真っ赤。熱上がったのか?」


さっきとは、うって変わって心配そうな顔をするモジャ男。


顔が真っ赤だと思ったのは、気のせいだったのかな?


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