狼さんの好きな人

コンコン…


部屋をノックする音が聞こえ、お兄ちゃんが返事をするとモジャ男が部屋に入ってきた。


「良かった。目が覚めたんだな…」


モジャ男は、ほっとした表情をして私のそばまで来るとおでこに手をあてた。


「まだ熱あるな…。飯と薬持ってくるから待ってろ。郁斗、今日泊まっていけよ。飯出来てるぞ?」


「泊まりたいのは、山々なんだけど今日も見回り。飯だけ食って帰る。じゃあな、ひより。良くなったら、お兄ちゃんと一緒に寝ような?」


お兄ちゃんが帰るとなると…


なんだか寂しい…


私もウチに帰りたい…


「…うん。」


「お兄ちゃんがいないと寂しいか?」


「…うん。」


「あぁ~ッ!!もぅ、可愛い!!!熱が出ると甘えてくるひよりはもっと大好きだぁ------------ッ!!!!」


お兄ちゃんは、大声でそう言うとチュッと軽く私にキスをしてくれた。


「ッ!!さっさと飯食って見回り行けよ!!」


なんだかモジャ男の機嫌が悪い…?


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