狼さんの好きな人

「…より。オイッ、ひより。聞いているのか?」


ハッ!!!!


「すみません…」


「どうかしたのか?」


「いえ。ひよこって名前に覚えがあって…。私、会うのを楽しみにしていたんです。小さい頃の話ですけどね。」


「……お前、ひよこに会ったことがあるのか?」


「それがよく覚えてないんですよ…」


「………。ひより、絶対に両親と話せ。絶対、ギクシャクした関係にならねぇから。」


「はい…、わかりました。あ、それで枢は妹と血が繋がっていないんですよね?」


「あぁ。ひよこが死んだ後に聞かされた。俺にとっては、血が繋がっていようと無かろうと妹にはかわりなかったから。だから、郁斗も同じだと思うぞ?」


「わかりました。明日、お兄ちゃんに話してみます。枢、ありがとうございます。」


「あぁ。さ、もう寝るぞ?」


「はい。」


モジャ男の体温が気持ちよくて、いつの間にか眠りについた。


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