狼さんの好きな人

「だろ？お前、ｳｼﾞｳｼﾞ悩みすぎなんだよ。今お前が悩んでいることは、自分一人じゃ解決できねぇことなんじゃねぇのか？お前は、一人じゃないんだからもっと周りを頼れ。ほら、お前を愛してるﾔﾂがすぐそばにいるだろ。ここに。それに、咲ちゃんもいるし郁斗だっているだろ？」


ﾓｼﾞｬ男は、私に一人じゃないことを伝える為にｶﾞﾗにもなく愛してるって言ったんだ…。


「愛してるだけじゃわかりにくいですよ…。きちんと説明してください…」


ﾓｼﾞｬ男の気持ちが嬉しくて嬉しくて…


涙が溢れた。


「わかれよ。」


「ｯ…わからないですよ…。」


ﾓｼﾞｬ男に抱きつくと、優しく私の頭を撫でてくれた。


「でも、今わかっただろ？」


「はい。私…」


ﾓｼﾞｬ男に、私が養女だということを話した。


私が話している間、ﾓｼﾞｬ男は私の頭を優しく撫でながら黙って聞いていた。


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