狼さんの好きな人

あれ…?


私の体…支えられてる…?


「一気に持っていこうとするから、転びそうになるんだ。少しずつ持っていけよ。」


いやいやいや…


「遅いって言うから…。でも、支えてくれてありがとうございました。」


「かせよ。」


「え…?」


「ボトル。俺が持っていく。」


「いえ。もう大丈夫です。」


「お前が運んでたらいつまで経っても飲めないだろーが。皆が迷惑してんの。そのくらい、わかれよ。」


………。


「すみません…。」


モジャ男にボトルを渡すと、二本だけ突き返された。


「そのくらいなら持てるだろ?」


「はい…」


モジャ男は、そう言うとボトルを持って体育館に入って行った。


あの人、優しいのかな…?


どうなのかな?


よくわかんない…。


あ、早く持っていかないとまた怒られちゃうよ。


ボトルを持ち走って体育館へ入ると…


「遅い!!何やってんだよ!!」


怒られた…


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