狼さんの好きな人

「オイッ、ひより。俺にパスしろ。」


めちゃくちゃ不機嫌そうな顔をして、パスを求めるモジャ男。 


これは、モジャ男にパスを出さないとマズイでしょ…


後で怒られる…


「はい。」


モジャ男にパスを出すと、もの凄い勢いでピンキー先輩の顔に向かって投げた。


ビュンッて音がしたよ…


「危ねぇな!!何すんだよ!!あと少しで顔に当たるところだったんだぞ。」


あの早さのボールを素早くかわすピンキー先輩は、物凄く反射神経がいいと思う。


「わりぃ。手が滑った。」


嘘だ!!!!


皆、絶対にそう思ったハズだ!!


「手が滑ったなら…仕方ないか。」


バカだ!!


ピンキー先輩、バカだったんだ!!


いくらなんでも、手が滑ったっていう速度のボールじゃないでしょ…。


しかも、モジャ男にはあきらかに殺意があったよ。


「つーか、雅人さん。ひよに抱きついたんだから、ファウルでしょ。」


レンジ先輩がピンキー先輩に言っていた。


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