君と過ごせる最期まで




切なげな表情から一変、稔はいつもの表情に戻る。



その変わりようは稔が、切なげな表情をしていたことが嘘に思えた。



「…稔!戻ってきて!」



『詩歌?…どうしたんだよ?』



あたしの言葉に従うように稔はふわふわとあたしの横に戻ってくる。



「…稔」



『なに?』



「稔、稔、稔…稔」



『な、なんだよ?』



…いる。



稔はちゃんと…ここにいる。



たとえ、あたししか見えなくても…稔はここにいる。



『詩歌?』



「…なんでもない!気にしないで!」



あたしは…そう、



おどけたように精一杯…笑った。